ヨーロッパの財閥と企業グループ 21 ロスチャイルド関連企業の研究 ロイヤル・ダッチ・シェル
ロスチャイルド財閥が直接関係する企業の数は、正確にはつかめていません。世界中にネットワークが張りめぐらされ、資本の流れが明確ではないからです。しかし、歴史的な経緯から「ロスチャイルド系」と呼ばれる有名な企業があります。
ロスチャイルド財閥の石油利権ビジネスを代表するのが、イギリス=オランダ連合とでもいうべき「ロイヤル・ダッチ・シェル」です。もともとロイヤル・ダッチ社とシェル社は別会社でした。ロスチャイルド家は革命前のロシアにバクー油田の利権を持っており、シェル社の極東部門に石油を供給していました。その後しばらくの間、極東アジアにおいては、ロイヤル・ダッチ社とシェル社はライバル関係にありました。
しかし、ここに米ロックフェラー財閥のスタンダード石油(現エクソン)という強烈な敵が出現します。そこで、ロスチャイルド財閥が仲介して、ロイヤル・ダッチ社とシェル杜に反スタンダード石油の同盟を組ませたのです。ここにロックフェラー財閥のエクソン対ロスチャイルド財閥のロイヤル・ダッチ・シェルという図式ができあがります。
そのとき設立されたアジア石油会社の株は、ロイヤル・ダッチ社、シェル社、そしてロスチャイルド財閥にそれぞれ3等分され、また取締役会の席も3社に2席ずつ配分されました。これが現在のロイヤル・ダッチ・シェル社の出発点です。同社をロスチャイルド財閥の一員と呼ぶゆえんはここにあります。世界の大メジャーのひとつである、イギリスの「ブリティッシュ・ペトロリアム」(英国石油:通称BP)は、ロイヤル・ダッチ・シェル社の子会社で、同社も当然ロスチャイルド系となります。
世界のゴールドを動かす、南アフリカのオッペンハイマー財閥は、ロスチャイルド家の支援を受けてスタートしました。オッペンハイマー財閥は、ロスチャイルドの代理人として南アフリカに派遣されたユダヤ人、アーネスト・オッペンハイマーが創始した財閥です。オッペンハイマー家の基幹事業が、南アフリカの総合鉱山資源会社アングロ・アメリカン社です。その兄弟会社が、世界のダイヤモンドを完全に支配すると言われるダイヤモンド・シンジゲートの「デ・ビアス」です。
南アフリカの金の6割以上に加え、ロシアの金の半分以上を支配しているとも言われるアングロ・アメリカン社。プラチナやウラニウムといった南アフリカの他の鉱物資源も独占下におく、超巨大企業になっているオッペンハイマー財閥は、独占で築き上げた莫大な富を元手にして、南アフリカの建設、流通、食品、マスコミという主要産業を握り、南アフリカの経済を完全に支配してきました。そのオッペンハイマーでさえ頭が上がらないのが、ロスチャイルド家なのです。また、世界有数の金鉱山会社アングロゴールド社(南アフリカ)もロスチャイルド系の巨大企業のひとつです。
ちなみに日本でアングロ・アメリカン社を後押ししているのが三井物産です。三井物産-ロスチャイルド-オッペンハイマーという図式が見えてきます。
ほかに欧州でロスチャイルド系では、オランダの総合家電メーカーのフィリップス社、食品・化粧品などの複合メーカーのユニリーバ社、世界140国に展開するフランス最大の総合科学・製薬メーカーのローマ・プーランなどが挙げられます。マスコミ業界では、イギリスのロイター通信は、ロスチャイルド家がヨーロッパ各国に張りめぐらせた情報網が土台となって生まれた通信社。イギリスのロイズ保険もロスチャイルドとともに成長した企業です。
世界に視野を広げていけば、タイムズ(新聞)、ザ・サン(新聞)、AP(通信社)、アメリカ3大ネットワーク(ABC、NBC、CBS)、ビッカース(兵器)、ダッソー(兵器)、アームストロング(兵器)、シュットーデル(兵器)、ミノルコ(金属)、ネッスル(コーヒー)、ブルックボンド(紅茶)、モンド・ニッケル、モンド社(アルカリ)、フランス銀行、イングランド銀行など数え切れません。そして欧州の財閥とも深くかかわっています。その詳細は次週お伝えします。
By Master K/益田 慶