今週のメインイベントは、27日・28日の上下院金融委員会でのバーナンキFRB議長の半期に一度の金融政策に関しての議会証言である。初日の27日で大方が判明し、28日には同じような発言内容になるのが普通となるが、27日(日本時間28日の午前零時開始)には、今後の米金融政策を読み取ることができ、非常に・非常に重要な日となっている。市場では3月18日のFOMCで既に0.25%~0.5%を折り込み済みで、可能性は非常に低いが、逆のインパクトは大きくなっているのも事実である。また、29日にはローゼングレン・ボストン連銀総裁、ミシュキンFRB理事、ロックハート・アトランタ連銀総裁、エバンズ・シカゴ連銀総裁、プール・セントルイス連銀総裁等、通貨当局者の発言が多く注意したい。
米国は消費者物価指数が上昇し、インフレを意識しながらも、短期間に大幅な金利引き下げを実施したにもかかわらず、住宅金利の低下には反映されにくい状況が続き、今後も政策金利の引き上げが予想されている。フィラデルフィア連銀景況指数が2001年2月来の低水準で、リセッションがテーマとなりつつあり、ドルの信頼回復には程遠いようにも思われ、一時で期待されていた米経済回復=ドル高も足踏み状態から、更には逆に動き始めている。
今週は、ドル高値を試す相場→レンジ相場→ドル下値を試す相場へと、徐々に流れが変わる可能性が高くなっている。この流れを変えるには、予想外の良好な経済指標と予想外のバーナンキFRB議長の発言であるが、現状では望みするで、ドル売りの流れを試すことになりそうである。ドル円もレンジ相場から、一時106円台に入りドル高センチメントは薄らぎつつあるが、多くの為替市場参加者の見通しは、短期的(第1四半期)なドル安と中期的(第2四半期以降)なドル高予想は相変わらずのままである。目先は、ドルブル派、ドルベア派が入り乱れ、ユーロ・ポンド・円に関しても先行き見通しが分かれ、それがまた、大手投機筋の付け込む隙を与え短期的な相場変動を大きくさせる要因ともなっている。
先週の木曜と金曜日は不在となったが、大手投機筋は日本時間の午後2時~3時頃にかけて、それ以前の流れの逆のポジションを取り、午後7時頃には一旦利食いを行い、日本時間の午後10時~午前1時頃かけては、売り買いを交錯させていることが多い。
主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
CADを除く主要通貨でドルは下落しており、原油価格や商品価格の上昇と、高金利通貨の恩恵を受けたNZDの上昇幅が大きく、AUDもインフレ懸念と再利上げの思惑に上昇が続き、GBPを除き、高金利通貨の順にドルに対して上昇している。
USDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 107.35 108.62 106.33 107.80 0.48 0.45% 2.29
22-Feb-08 107.83 108.37 106.71 107.14 -0.66 -0.61% 1.66
EURUSD OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 1.4516 1.4710 1.4482 1.4682 1.750 1.21% 2.28
22-Feb-08 1.4678 1.4863 1.4611 1.4830 1.480 1.01% 2.52
USDCHF OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 1.1020 1.1108 1.0886 1.0932 -1.020 -0.92% 2.22
22-Feb-08 1.0933 1.1048 1.0835 1.0853 -0.790 -0.72% 2.13
GBPUSD OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 1.9459 1.9740 1.9402 1.9613 1.530 0.79% 3.38
22-Feb-08 1.9571 1.9709 1.9363 1.9672 0.590 0.30% 3.46
AUDUSD OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 0.8957 0.9097 0.8922 0.9089 1.310 1.46% 1.75
22-Feb-08 0.9081 0.9249 0.9068 0.9240 1.510 1.66% 1.81
USDCAD OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 0.9997 1.0112 0.9919 1.0066 0.770 0.77% 1.93
22-Feb-08 1.0092 1.0197 1.0018 1.0125 0.590 0.59% 1.79
NZDUSD OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 0.7869 0.7956 0.7813 0.7899 0.150 0.19% 1.43
22-Feb-08 0.7898 0.8102 0.7894 0.8090 1.910 2.42% 2.08
円クロスを比較:
Weeklyベースの比較で、終値を比較してみると:
米独の影響を最も受けやく、利下げ観測の強いCADJPYの下落は特異で、GBPJPYも若干値を下げが、NZDJPYの上昇幅は大きく、AUDJPYも堅調に推移し、キャリートレードの復活を思わせる値動きとなっている。また、EURJPYやCHFJPYはほぼ横ばいで推移し、通貨間によって異なる値動が特徴となっている。
AUDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 96.14 98.34 95.95 97.98 1.890 1.97% 2.39
22-Feb-08 97.90 99.54 97.76 98.92 0.940 0.96% 1.78
GBPJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 208.83 213.86 206.78 211.37 2.530 1.21% 7.08
22-Feb-08 211.04 211.96 208.75 210.74 -0.630 -0.30% 3.21
CADJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 107.32 108.97 106.09 107.03 -0.350 -0.33% 2.88
22-Feb-08 106.81 107.56 104.99 105.74 -1.290 -1.21% 2.57
EURJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 155.80 158.89 154.33 158.28 2.550 1.64% 4.56
22-Feb-08 158.30 159.60 157.70 158.88 0.600 0.38% 1.90
AUDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 96.14 98.34 95.95 97.98 1.890 1.97% 2.39
22-Feb-08 97.90 99.54 97.76 98.92 0.940 0.96% 1.78
CHFJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 97.35 98.79 96.53 98.57 1.310 1.35% 2.26
22-Feb-08 98.59 98.87 97.91 98.72 0.150 0.15% 0.96
NZDJPY OPN HI LW CLS 前週比 前週比% 週間レンジ
15-Feb-08 84.45 85.78 83.85 85.16 0.570 0.67% 1.93
22-Feb-08 85.16 86.88 85.08 86.61 1.450 1.70% 1.80
IMM通貨先物:
2月12日と2月19日の公表値を比較してみよう:
相変わらずGBPのショートは大きく先安感が続き、金利相場なのか、クレジットリスクの緩和なのか、CHFのロングは減少、CADもドル安連動に弱気が支配しています。逆にJPY・EUR・AUDのロングは増加し、数日前の過去のデータとは言え、最近の市場センチメントを良く表しています。
JPY Long Short Net
2-Feb-08 73,955 30,484 43,471
19-Feb-08 80,805 30,361 50,444
EUR Long Short Net
2-Feb-08 55,016 44,721 10,295
19-Feb-08 60,926 46,196 14,730
GBP Long Short Net
2-Feb-08 26,593 40,526 -13,933
19-Feb-08 25,606 37,763 -12,157
CHF Long Short Net
2-Feb-08 17,550 14,370 3,180
19-Feb-08 23,979 22,992 987
CAD Long Short Net
2-Feb-08 43,391 22,956 20,435
19-Feb-08 33,387 21,440 11,947
AUD Long Short Net
2-Feb-08 53,483 17,615 35,868
19-Feb-08 58,464 18,044 40,420
NZD Long Short Net
2-Feb-08 17,294 1,315 15,979
19-Feb-08 16,735 1,608 15,127
今後の金利予想は:
国 予定日 現行政策金利 予想
USD 3月18日 3.0% 0.25%~0.50%の利下げを予想(Fed Funds Target Rate)
EUR 3月 6日 4.0% 金利据え置きを予想(Refi Rate)
GBP 3月 6日 5.25% 金利据え置き~0.25%の利下げを予想(Base Rate)
JPY 3月 7日 0.50% 金利据え置きを予想(OverNight Call Rate)
AUD 3月 4日 7.0% 0.25%の利上げを予想(Cash Rate)
NZD 3月 5日 8.25% 金利据え置きを予想(Cash Rate)
CHF 3月13日 2.75% 金利据え置きを予想(3 month Libor target)
CAD 3月 4日 4.0% 0.25%の利下げを予想(OverNight Rate)
NOK 3月13日 5.25% 0.25%の利上げを予想 (Sight deposit)
SEK 4月23日 4.25% 金利据え置きを予想 (Repo rate)
今週の経済指標からは、28日・29日に発表が集中し相変わらず、インフレ関連と住宅関連の変動率は多い事が予想され、特に米国発のインフレ指標でもある、28日のGDPデフレータ、29日の個人消費支出のコアPCEは重要となっている。
◎住宅関連では、25日=英ホームトラック住宅価格、米中古住宅販売件数、27日=米新築住宅販売件数、28日=英ネーションワイド住宅価格と発表が多い。
◎インフレ関連では、26日=米PPI、28日=米GDPデフレータ、29日=日本全国CPI、ユーロCPI、未定=独CPIが注目される。
◎成長関連では、27日=英GDP、28日=米GDPには注意が必要。
◎その他では、25日=スウェーデン中銀議事録、26日=独IFO、27日=米耐久財受注、29日=米個人所・得消費、米シカゴ購買部協会景気指数、米ミシガン大消費者信頼感指数は為替変動が比較的大きい。
●ドル円
ドル円は、クロスではAUDやNZDに対して継続して円売りが続き、弱いながらも円キャリートレードに陥っている。ドル円の金利差も縮小する一方で、ドルにたしては狭いレンジ相場が続く可能性が高いかし、3月は本邦決算月でもあり、リパトリによる予想外の円買需要も今後は気にする必要もある。これらの円クロスで円高に変わることにより、ドル円も下値を試すリスクも警戒したい。
ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間地点で揉み合いとなっている。上値のポイントは、107.56円、107.92円、108.55~66円、109.23円、110.95円。下値のポイントは、106.10円、103.93円、103.53円。RSIは37とやや上昇しているが弱く、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、①106.10円~108.66円のレンジ相場を予想するが、上値08円台を失敗し下値を試しやすくなっている。Daily=買い、Weekly=弱い売り、Monthly=売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、長い期間に渡り1.43~1.50のレンジに陥り、両サイドを抜け出すことは容易ではなくなっている。しかし、米景気の鈍化からリセッション入りの可能性が指摘されつつあり、EUR圏の成長も鈍化することが予想されているが、インフレに対する考え方や金融政策でもECBとFRBのスタンスの差は歴然としたものがある。金利差からもドルは他の主要通貨では分が悪く、ドルの安値を試すことが予想される。
ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限での取引が続いている。上値のポイントは、1.4882、1.4944、1.4966、1.5030、1.5302。下値のポイントは、1.4782、1.4762、1.4708、1.4556、1.4345、1.4309。RSIは65と横ばいで緩やかな上昇ラインを継続しているが、トレンドモメンタムは売りを継続している。トータルの判断は、失敗して再びもとのレンジ相場に戻る可能性もあるが、昨年11月の高値1.4968を超え、どこまで上昇できるかを試すことを予想。Daily=買い、Weekly=ミックス、Monthly=買い
●ポンド円
ポンド円は、3月のイングランド銀行の金融政策では利下げが予想されながらも、小売売上高が強く売り買いが交錯している。市場のセンチメントはややポンド高に傾いているが、204~214円の10円レンジを抜け出すことはできず、GBPUSDは相変わらず、1.94~1.98のレンジで取引が続き、方向感はいまひとつはっきりとしない。強いて言えば、期待感のGBP安相場と、米住宅関連の指標を見ながらの短期取引がベスト。
ポンド円のWeeklyチャートは、下降とトレンドが続き、ラインの中間から下限でのレンジで取引が続いている。上値のポイントは、213.43円、214.21円、214.43円、215.40円、220.45~50円。下値のポイントは、209.43円、206.96円、204.60円、199.93円、196.17円。RSIは下降トレンドが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。204.60円~214.00円のレンジに相場から、214.43~50円を超えるまでは下落基調が続く。Daily=買い、Weekly=売り、Monthly=売り。