2008年2月10日 今週の為替戦略
G7では想定外のサプライズな無く、引き続き新たな材料を模索する展開となりそうである。米経済のリセッションの有無と、欧州経済の景気鈍化の度合いを探りながら、最近の傾向となっているレンジ相場から、新たな流れが始まることを期待したい。その引金を引くイベントとしては、BOEのインフレレポートと、バーナンキFRB議長の議会証言ではないだろうか?
13日=イングランド銀行(BOE)四半期インフレレポートでは、7日に政策金利0.25%の引き下げを実施、追加利下げ幅が縮小したとの見通しが強まっていたが、今後の利下げの有無や、利下げ幅を読み取ることができ、ポンド相場への影響は絶大と見ている。4日=バーナンキ米FRB議長が上院銀行委員会で証言では、短期間に1.25%の政策金利引き下げを実施した、その本心と今後の金融政策の見通しを判断することができ、非常に重要となっている。
2月9日の東京G7の共同声明では
世界経済の現状について=世界はよりチャレンジングで不確実な環境に直面している。世界経済の不確実性が増している。経済のファンダメンタルズは引き続き堅固。足元の成長は短期的に幾分減速すると見込まれる。日米欧の主要7カ国の景気がほぼそろって減速している。
世界経済の先行について=世界経済について「より困難で不確実な環境に直面。依然として下方リスクが存続している。米国の信用力の低いサブプライムローン問題に端を発した金融市場の動揺と米景気の減速を受け、世界の成長が短期的に下振れするリスクに対し、各国当局が個別にあるいは共同して適切に行動する。
為替レートについて=経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認(昨年10月の会合の声明と同じ)。過度の変動や無秩序な動きは経済成長にとって望ましくない。引き続き為替市場をよく注視し適切に協力し、過度の変動がある場合には対応を検討。 人民元相場は、柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎。経常収支黒字が増加し国内インフレが上昇しており、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増加を促すと協調した。
主要通貨を比較:
Weeklyベースの比較で、1月18日→1月25日→2月1日→2月8日の終値を比較してみると:
久々にドル全面高となっている。先週はNYダウ平均株価=週終値で12743.19→12182.13と大幅に下落、原油価格=88.96→91.77、金価格=913.5→922.3、CRB=364.34→375.67と上昇し、インフレリスクは強まり、ドル買い要因とは言いがたい。しかし、ウェストLBやソシエテ・ジェネラルなどの金融不安のウワサや、FRBの激しい金融緩和政策に対して、緩慢はECBとBOEの対応に景気後退リスクを意識した値動きで、トルシェECB総裁からユーロ圏の景気鈍化を示唆する発言も影響した。資源国通貨の通貨も値を下げ、クレジットリスクからスイスと円の下げ幅は他と比較して弱かった。
USDJPY=106.85円→106.73↓→106.58↓→107.32↑(0.74円 +0.69%)
EURUSD=1.4620→1.4683↑→1.4801↑→1.4507↓(294ポイント -1.99%)
USDCHF=1.0984→1.0967↓→1.0896↓→1.1034↑(138ポイント +0.65%)
GBPUSD=1.9554→1.9830↑→1.9651↓→1.9460↓(191ポイント -0.97%)
AUDUSD=0.8790→0.8796↑→0.9038↑→0.8958↓(80ポイント -0.88%)
USDCAD=1.0271→1.0078↓→0.9951↓→0.9989↑(38ポイント +0.38%)
NZDUSD=0.7598→0.7680↑→0.7948↑→0.7884↓(64ポイント -0.81%)
円クロスを比較:
Weeklyベースの比較で、1月18日→1月25日→2月1日→2月8日の終値を比較してみると:
EURJPYが-1.29%と大幅な下落となったが、それ以外で総じて小幅な円高にとどまり、相場の流れの主役が、最近の傾向であった円から他の要因(米ドル)へシフトしていた結果と思われる。
GBPJPY=208.87円→211.63円↑→209.39円↓→208.84円↓(0.55円 -0.26%)
CADJPY=103.96円→105.85円↑→107.07円↑→107.38円↑(0.31円 +0.29%)
EURJPY=156.20円→156.72円↑→157.77円↑→155.73円↓(2.04円 -1.29%)
AUDJPY=93.90円→93.84円↓→96.33円↑→96.09円↓(0.24円 -0.25%)
CHFJPY=97.26円→97.30円↑→97.81円↑→97.26円↓(0.55円 -0.56%)
NZDJPY=81.19円→81.93円↑→84.61円↑→84.59円↓(0.02円 -0.02%)
IMM通貨先物:
1月15日→1月22日→1月29日→2月5日の公表値を比較してみよう
JPY +37,199→+41,842→+52,928→+54,690 円ロングが若干増加し、円高期待が続いていた。
EUR +44,982→+23,745→+22,456→+12,564 ユーロロングが減少し、ユーロ高期待が弱まっていた。
GBP +307→-729→+5,358→-7,809 ポンドショートに変わり、ポンド安期待が強まっていた。
CHF +5,162→+15,376→+9,233→+2,786 スイスロングが減少し、スイス先高期待が弱まっていた。
CAD +7,765→+7,677→+4,295→+32,897 カナダロングが増加し、カナダドル高期待がた強まっていた。
AUD +25,460→+5,607→+16,309→+32,897 豪ドルロングが急増し、豪ドル高期待感が強くなっていた。
NZD +15,749→+11,455→10,722→+14,789 NZドルロングが増加し、NZドル高期待が続いていた。
今後の金利予想は:
USD=3月18日0.5%引下げ、EUR=3月6日据え置き、GBP=3月6日0.25%引き下げ、JPY=2月15日据え置き、AUD=3月4日0.25%引き上げ、NZD=3月6日据え置き、CHF=3月13日据え置、CAD=3月4日0.25%引き下げ、きが予想される。→ 金利差から考えれば、引き続きAUD高要因となっているが、市場センチメントAUD売りが強く、金利差より商品価格の動向に左右される傾向が強い。
今週の経済指標から、
◎インフレ関係では、11日=英PPI、12日=英CPI、13日=独PPIが発表され、インフレ関連には相場は引き続き敏感である。
◎政策金利関係では、13日=スウェーデン中銀、15日=日本銀行の金融政策が発表されるが、共に金利据え置きが予想されている。
◎住宅関係では、11日=オーストラリア、カナダ、15日=英国で発表され、住宅関連の低迷が予想されている。
◎GDPの発表では、14日=日本、ドイツ、ユーロ圏で発表され、景気鈍化傾向が示されることが予想されている。
◎その他では、12日=英小売売上高、独ZEW、13日=米小売売上高、15日=NY連銀製造業景気指数、ミシガン大消費者信頼感指数が重要となっている。
●ドル円
ドル円は、先週後半のドル円の上昇は、東京G7までのポジション調整なのか、それともドル高へのトレンドの変化なのか? 11日月曜日は東京市場が休場で、その判断は11日の海外市場からとなりそうだが、長く狭いレンジ相場に慣れたドル円相場が、上下に動きやすくなっており油断できない週に思える。その意味では先にドル安局面が加速したバーナンキFRB議長発言が引金となる可能性が高い。
ドル円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの中間地点で取引が続いている。上値のポイントは、107.87円、108.03円、108.66円、108.88円、109.24円、110.95円。下値のポイントは、106.07~18円、105.56円、104.08円、103.93円。RSIは下降ラインが終わり、上昇傾向が始まりそうな気配となっているトレンドモメンタムは売りを継続。トータルの判断は、106円~108円のレンジ相場が続く可能性が高いが、弱いながらも前週より上値リスク見もられ、108.00~10円を上抜けしたら上昇リスクが高まる。Daily=買い、Weekly=売りが弱まる、Monthly=売り。
●ユーロドル
ユーロドルは、インフレ懸念と景気後退懸念にECBは政策金利の舵取りが難しくなっている。ブンデスバンクを含め欧州中銀はインフレファイターとの異名を取るほど、インフレを恐れ抑制することを使命と考えている。最近のGDP見通しは1.5%近く間での低下が予想され、年内いずれかでECBの金利引き下げ観測が強まり、特に先週、欧州中銀理事会の後のトルシェECB総裁記者会見を受けてからは、ユーロに関して弱気な見通しが増えているのが気になる。
ユーロドルのWeeklyチャートは、上昇トレンドが続き、ラインの中間から上限の1.43~1.50のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、1.4556、1.4586、1.4634、1.4708、1.4966、1.5030。下値のポイントは、1.4415、1.4385、1.4345、1.4309、1.3969、1.3927、1.3614。RSIは緩やかな上昇ラインを続けているが、トレンドモメンタムは売りで継続している。トータルの判断は、売り。Daily=売り、Weekly=売り、Monthly=買い
●ポンド円
ポンド円は、BOEは先週の金融政策委員会で予想通り0.25%の政策金利を引下げたが、大幅な金利引き下げ見通しが弱まり、せいぜい年内に4.5%までの金利引き下げるとの予想が一般的となった。これはそれまでの市場予想となっていた4.0%~4.25%までの大幅引き下げ観測から変化し一時はポンド買いとなったが、最近の住宅関連を中心とした経済指標の悪化に、ポンドドルは終値ベースで2007年3月の水準まで低下、ポンド円は2006年5月の水準で引け、底値感が見えない。
ポンド円のWeeklyチャートは、下降トレンドが続き、ラインの下限から中間の204円~215円のレンジで取引が続いている。上値のポイントは、203.82円、214.43円、220.50円、221.08円。下値のポイントは、204.60円、204.25円、196.48円、184.82円。RSIは34と横ばいで下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続している。サインは売が続きながらも、Dailyは買いに変化し強弱が混沌とし、結果としてレンジ相場を抜け出せないでいる。トータルの判断は、レンジ相場を抜け出した方向に動きやすく、引き続き下落リスクが続いている。Daily=買い、Weekly=売り、Monthly=売り。