2008年2月9日8日の海外為替市場
G7を控えた、週末金曜日。主要な経済指標の発表も無く、イエレン・サンフランシスコ連銀総裁の「米国がリセッションを回避するという確信はない」との発言にドル安不安感が強く、ダーリング英財務相の「国がドル安を懸念しているのは間違いない」との発言に、G7の結果を見極めたい雰囲気が続き、投機筋は影を潜め、ECBフィキシング、オプションカット、ロンドンフィキシングに相場が動く、典型的な実需主導の相場展開となった。
スイスの消費者物価指数は2.4%と14年来の高水準となったが、EURCHFの買いにスイス買いは鈍く。カナダドルは、雇用統計と住宅着工件数が強く、主要通貨では唯一値動きが大きく、カナダドル高の流れとなった。
●ドル円
アジア市場のドル円は107.47円で取引が始まり、G7を直前に控え、本邦機関投資家や実需筋の売りに上値は重く、仲値に向けて107.15円まで下落、軟調な日経平均株価に上値は重く、107.25~40円のレンジで取引が続いたが、ダーリング英財務相のドル安懸念発言や、ポジション調整の買いに107.68円まで上昇した。欧州市場は107.51円で取引が始まり、一時107.72円まで上昇したが、海外市場の前日高値107.83円を超えられず、107.24円まで値を下げた。週末とG7を控え投機的な動きも鈍く、東欧勢の買いに底値は堅く、米国株が軟調に推移し上値も重く、107.25~55円の狭いレンジで売り買いが交錯し、107.33円で取引を終了した。
●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.4484で取引が始まり、1.4470~1.4500の狭いレンジで取引が続いたが、OPECの原油決済の早期ユーロ化は薄く1.4450まで下落した。欧州市場は1.4477で取引が始まり、前日の安値1.4400を割り込むことはできず、1.4565~00のレンジで売り買いが交錯した。USDCADでドル売りが強く、22:10時のECBフィキシングのユーロ買い需要に1.4519まで上昇、オプションカットでは1.4475まで下落、ロンドンフィキシングでは1.4525まで上昇した。米市場でクレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)が拡大、米株価も弱く1.4547まで上昇したが、週末・G7前で総じて動意は鈍く、1.4500~20の狭いレンジで取引が続き、1.4505で取引を終了した。
●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は155.67円で取引が始まり、早朝に155.05円まで下落、155.30~65円の狭いレンジから、ユーロドルの上昇に155.90円まで上昇した。欧州市場は155.65円で取引が始まり、ECBフィキシングの買い需要が意識され、欧州系銀行の買いに155.96円まで上昇したが、利食いの売りに155.17円まで急落、CADJPYの買いや、22:10時のECBフィキシングの買いに155.94円まで再上昇した。オプションカットでは155.38円まで下落、ロンドンフィキシングでは156.17円まで上昇、実需の売買が市場をリードし、155.60~90円のレンジで取引が続き、155.71円で取引を終了した。
●主な経済指標の結果
香港休場(旧正月)
08:50 日本 12月の機械受注=前月比-2.8%(予想-0.9% 前回-2.8%)、前年比-3.3%(予想-1.1% 前回0.9%)
08:50 日本 1月のマネーサプライM2+CD=前年比2.1%(予想2.1% 前回2.1%)
14:00 日本 1月景気ウォッチャー調査=現状判断DI:31.8(予想35.5 前回36.6)→2001年12月来の低水準、先行き判断:35.8(予想36.1 前回37.0)
15:45 スイス 1月の消費者物価指数(CPI)=前月比-0.3%(予想-0.5% 前回0.2%)、前年比2.4%(予想2.2% 前回2.0%)→ 14年来の高水準
16:00 独 12月の貿易収支=156億ユーロ(予想177億ユーロ 前回201←198億ユーロ、輸出=-1.2%(予想1.0% 前回-0.5%)、 輸入5.3%(予想=2.5% 前回-3.0%)
16:00 独 12月の経常収支=159億ユーロ(予想168億ユーロ 前回193←200億ユーロ)
20:00 独 12月の鉱工業生産=前月比0.8%(予想1.0% 前回-0.3%←-0.9%)
21:00 カナダ 1月の失業率=5.8%(予想6.0% 前回6.0%←5.9%)、雇用ネット変化=4.64万人(予想1万人 前回-0.29万人)→ 予想より良くカナダドル買いとなる
22:15 カナダ 1月の住宅着工件数=22.27万件(予想21万件 前回18.47←18.75万件)
00:00 米 12月の卸売在庫=前月比1.1%(予想0.3% 前回0.8%←0.6%)
G712月の景気先行指数(OECD)=99.0(前回99.4)、日本97.0(前回96.2)
●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=インフレが経済成長を鈍化させる可能性があり、これに焦点を当てる必要がある。FOMCメンバーが快適と感じるインフレ範囲は1.5―2%か若干高いことは明らか。最近の利下げ決定は経済全般を優先事項だった。
◎ピアナルト・クリーブランド連銀総裁=住宅ローン市場の問題は包括的な対応が必要。
◎米市場でクレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)が拡大=大幅な損失を出した欧州銀行のコンスタント・プロポーション・デット・オブリゲーション(CPDO)の清算のうわさ。
◎バーナンキFRB議長=14日10:00時に上院銀行委員会で証言。
◎ブッシュ米大統領=1520億ドルの景気対策法案に来週署名。
◎米ステート・ストリート=機関投資家にリスク志向回復の兆し。
◎イエレン・サンフランシスコ連銀総裁(7日)=米国がリセッションを回避するという確信はない。低成長が続くというのが最も可能性の高いシナリオ。リセッションはノーマルな予想誤差の範囲内。 今後低成長が見込まれるが、リセッションは回避できる。FRBは米経済の著しい下振れリスクを防ぐために対処。 1970年のようなインフレ・スパイラルを再発してはならない。利下げにより資産バブルが発生する大きなリスクはない。
欧州・英国
◎シュタインブリュック独財務相=金融市場の問題解決には世界的な協調が必要。米国での非常に大幅な利下げに対する懸念がある。米景気刺激策のような策を欧州は必要ない。2008年のドイツ成長率は1.7%と予想し、ユーロ圏も同程度で景気後退に直面していない。
◎イングランド銀行の政策委員会=日程は柔軟な設定を目指す、投票結果の即時公表は拒否。
◎ガルガナス・ギリシャ中銀総裁=株式市場の高いボラティリティは、成長・インフレリスクに関する不透明性が要因。投資家は米経済の減速がリセッションまで行き着くのか、またそれが欧州にも影響を及ぼすのかを注目。
◎ゴンザレス・パラモECB専務理事=直近のECBの金利決定は中期的なインフレリスクの大きさを反映。
日本・その他
◎バドリOPEC事務局長=原油価格設定で今後10年以内にユーロに移行する可能性。
◎福井日銀総裁=サブプライムによる不安定は有っても国内の金融緩和の状態は維持されている
G7関係
◎ポールソン米財務長官=米経済は拡大を続けるが当面は拡大ペースが鈍化するとの見通しを伝える。当面はペースが鈍化するが成長が続くと確信。リスクは非常に下向きで特に住宅に関連。
◎G7声明草案=われわれは引き続き動向を注視し、経済の安定と成長を確実なものとするため、個別および共同で必要な行動をとることにコミットする。 ユーロ圏の成長は最近、より緩やかなペースに鈍化したが、おおむね潜在的なトレンドに沿って推移すると予想。日本経済は最近みられるある程度の弱さを乗り越え、緩やかな成長軌道に戻る見込み。
◎アルムニア欧州委員会委員(G7スピーチ原稿)=EUにとってインフレ圧力が大きな問題で、食品やエネルギー価格の上昇がすでに経済に幅広く影響を及ぼしている。世界的な不均衡の規模は異例なほど拡大し、米国ではリセッションの懸念が明らかに高まっている。
◎シュタインブリュック財務相(G7への書簡)=サブプライム問題の金融セクターへの影響、まだ完全には明らかでない。金融セクターに影響を及ぼしている問題解決に向けた取り組みへの決意を表明するべき。
◎ダーリング英財務相=G7でドル安防止を求める姿勢が示されるかとの質問に対し→多くの国がドル安を懸念しているのは間違いない。各国は成長促進のため、それぞれ独自の対策を講じる必要がある。世界の経済成長を押し上げるための協調策が打ち出されることはない。
◎額賀財務相=G7で安定した市場・国際経済拡大のメッセージを出す。金融機関の損失を同補うかを討議する。