FXライフ33 東アフリカの通貨 ウガンダとエチオピア
ウガンダ共和国は1962年、イギリスから独立した。当初は社会主義路線を進めていたが、1971年クーデターで政権を奪ったアミンが大統領に就任し、独裁政治を敷いた。アミン失脚後も度重なるクーデターにより政治・経済は混乱した。これは多民族国家ゆえ民族間の権利争いが絶えなかったことを物語っている。むろんイギリスは簡単に統一できないことを承知でウガンダの独立を見守っていたことだろう。実は当初イギリスは、ウガンダの社会主義国化を阻止したアミン大統領を支持していた。
社会主義国家になればイギリス企業が国有化されるからだ。ウガンダはキリスト教徒が半分を占める国で、東アフリカに反アラブ国の建国が必要と考えたイスラエルもアミンを支援したようだ。しかし、アミンが両国に莫大な軍事的・経済的援助を要求したことからイギリスもイスラエルもウガンダの支援から手を引いた。そしてアミンは企業を国有化し、独裁制を敷いた。皮肉なことに社会主義国と同じ結果を招いてしまったのである。
1986年、ムセベニが大統領就任後、IMFの経済復興計画を導入し、輸出拡大のための貿易の多角化、規制緩和、国営企業の民営化などが推進され、経済成長がもたらされた。ムセベニは1991年にはアフリカ統一機構の議長にも選出された。現在、欧米等西側諸国との関係強化に努め、タンザニア、ケニアとの三国間の協力を推進しており、2006年に関税同盟「東アフリカ共同体(EAC)」に11月に加盟した。
通貨はウガンダ・シリング(UGX)。外国為替市場が発達していないウガンダでほとんどの商取引の決済に使用されているが、米ドル、UKポンド、ユーロも使われている。主要産業は、コーヒーや紅茶など農業、銅やリン鉱石など鉱業、繊維やセメントなど製造業だ。首都カンパラが商業、製造業、輸送業の中心で、EACの下部組織である東アフリカ開発銀行や東アフリカ鉄道も市内にある。
2006年度の経済成長率は5.3%。ただし、インフレ率が6.7%、失業率が33%と高く、北部地域では20年に及ぶ反政府武装組織との戦闘によって現在も100万人近い国内避難民がいるとされている。
周辺国との関係は近年著しい改善が見られている。スーダン南北和平の進展に伴ってスーダンとの関係は改善しており、またかつてウガンダ政府軍による軍事介入により関係が悪化したコンゴ民主共和国との関係も改善されてきた。課題は国内の貧困削減だ。
エチオピアは、ソマリア、ケニア、エトリア、ジブチなどに囲まれる内陸国だ。80以上の多民族からなる国で、民族ごとに構成される9つの州と二つの自治区からなる連邦制をとっている。1936年から1941年のイタリアによる植民地時代、1974年~1987年の社会主義時代、エリトリアの独立、いくつかの内戦などを経て、現在は安定している。
通貨はブル(BIRR)。主要産業はコーヒーやトウモロコシなど農業。製造業では皮製品が有名だ。国土の10%が農地として使われており、国民の30%が農業に従事している。近年、経済成長率は13.4%(2004年)と高い水準を保っているが、アフリカで2番目に多い人口7000万人を支えるには主食の栽培量が不足しており、依然として世界最貧国のひとつだ。農業の機械化が進まず、生産性が低いことが要因である。
鉱物資源は、金、銀、塩が採掘されており、プラチナ、大理石、水銀鉱やタングステン鉱、ニッケル鉱などの埋蔵が確認されている。現在までの行われてきた調査では、国内の多くの場所で、輸出基準に叶う豊富な資源が眠っていると報告されている。実際の発掘規模が小さいのは、外国企業が投資をためらっているからであろう。日本との貿易は、日本が自動車やバス、トラックを輸出し、エチオピアはコーヒーを輸出しているが、直接投資はない。同国もまた貧困削減が最優先されている。
By Master K/益田 慶