2008年4月10日 9日の海外為替市場

ドル全面安と原油高。EURUSDは3月26日以来、久々に1.58台で終了、円は主要通貨で買い戻された。日経平均株価=13111.89(-138.54)、NYダウ=12527.26(-49.18)、独DAX=2322.12(-26.64)、英FTSE=5983.90(-6.30)、金=937.50(+19.50)、原油=110.87(+2.37)


アジア市場は、WSJ紙がシティグループは約120億ドルのレバレッジローンをプライベート・エクイティー連合に売却で合意、FRBがクレジット市場対策として緊急対策を検討との報道に、円売りが見られたが、日経平均株価の下落や、金融不安に円を買い戻す動きへと変わった。


欧州市場では、独貿易収支は164億ユーロ(予想158億ユーロ)予想を上回りユーロ買いが強まり、英鉱工業生産は、前月比0.3%(予想0.1%)、英製造業生産高は、前月比0.4%(予想0.1% 前回0.5←0.4%)共に強くポンド買いとなり、IMFの世界経済見通は悲観的な米国成長となり、ドル売りの流れが続いた。


米国市場では、政策金がBOEの利下げ+ECBの据置きに、EURGBP=0.800超えて最高値を更新0.8023まで上昇、IMFの米経済見通しが悪く、欧州系ファンドの売りにUSDCHF=1.0のパリティを割り込み0.9975まで下落、GBPUSD=1.9791まで上昇。弱い米国株に円買と利食い円売りが混在となった。


●ドル円
アジア市場のドル円は102.65円で取引が始まり、WSJ紙が「シティグループが約120億ドルのレバレッジローンをプライベート・エクイティー連合に売却で合意」、「FRBがクレジット市場対策として緊急対策を検討」との報道を材料に、103円のストップロスを試したが、102.84円を高値に、本邦実需筋は米系ファンドの売りに失敗、軟調な日経平均株価や本邦勢の売りに102.16円まで徐々に値を下げた。欧州市場は102.20円で取引が始まり、102.20~40円の狭いレンジから、堅調な独・英経済指標を受けたクロスの円売りに、102.76円まで上昇したが、IMFの弱い米経済見通しや主要通貨でのドル売りに、またしても上値トライは失敗に終わった。ロンドンフィキシングを過ぎると、軟調な米国株に、底堅かった102.20円を割り込み、102円以下のストップロスの売りを誘発、前日の安値101.76円を割り込むと、101.50円まで続落となった。101.50円以下ではオプション勢や米系証券、実需筋の買いは強く下げ止まり、101.55~75円の狭いレンジから、終盤にかけては101.85円まで値を戻し、101.80円で取引されている。


●ユーロドル
アジア市場のユーロドルは1.5711で取引が始まり、早朝に1.5683まで値を下げたが、オプション勢の買いに前日の安値1.5673を割り込めず、1.57を中心とした狭いレンジで取引が続き、オプションカットのオプション勢の買いや、予想を上回る独貿易収支に1.5743まで上昇した。欧州市場は1.5738で取引が始まり、1.56-1.58ダブル・ノータッチオプションが大きいとのウワサが広まり動き難く、予想を上回る英鉱工業生産+製造業生産高のEURGBPの売りにも、1.5700を維持し1.5700~40の狭いレンジで取引が続いた。USDCHFが4月1日来の1.0を割り込み、EURUSDが1.58をトリガーし、1.5865まで急伸、利食いの売りに上値も重く、終盤にかけては1.5812まで値を下げ、06:00時では1.5833で取引されている。


●ユーロ円
アジア市場のユーロ円は161.27円で取引が始まり、WSJ紙のシティグループの報道を受け、161.46円まで上昇したが、161.50円超えでは本邦勢の売り+円先高を期待する海外勢の売りが続き、弱い日経平均株価に160.61円まで続落、前日の安値160.48円を直前にし、アジア系の買いが強く下げ止まり、161.03円まで値を戻し、160.65~00円で売り買いが交錯した。欧州市場は160.86円で取引が始まり、160.68円を安値に暫く160.65~00円で取引が続いていたが、円ロングポジションの巻き戻しが始まると、GBPJPY+CHFJPYも買いも加わり、161.48円まで上昇したが、161.50円超の売りは厚く、161.15~45円のレンジで取引が続いた。ロンドンフィキシングを過ぎ、弱い米国株に160.85円まで下落、161円を挟み160.80~15円で売り買いが交錯、06:00時では161.18円で取引されている。


●主な経済指標の結果
日本 日銀金融政策決定会合=政策金0.5%の利据え置きを全員一致で決定
09:30 豪 4月の消費者センチメント=-1.3%(予想 前回-9.1%)← 15年来の低水準でAUD売られる
15:00 独 2月の貿易収支=164億ユーロ(予想158億ユーロ 前回161億ユーロ)、輸出=0.0%(予想-0.3% 前回3.6←3.8%)、輸入=-0.4%(予想0.5% 前回4.0←4.2%)
15:00 独 2月の経常収支=154億ユーロ(予想133億ユーロ、前回147←150億ユーロ)
17:30 英 2月の鉱工業生産=前月比0.3%(予想0.1% 前回-0.1%)、前年比1.3%(予想1.2% 前回0.4%)
17:30 英 2月の製造業生産高=前月比0.4%(予想0.1% 前回0.5←0.4%)、前年比1.9%(予想1.5% 前回0.7←0.6%)
18:00 ユーロ 第4四半期のGDP・改定値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.5←0.4%)、前年比2.2%(予想2.2% 前回2.2%)
23:00 米 2月の卸売在庫=前月比1.1%(予想0.5% 前回1.3%)、卸売売上高=-0.8%(前回2.3%)


●昨日の主な発言その他
米国・カナダ
◎マコーミック米財務次官=IMF世界経済見通しは悲観的すぎ。米国は深刻な下振れリスクを抱える。金融リスクが08年度の経済見通しを下振れさせる。
◎FRB当局者=これまでの対策が奏功しない場合に備え、金融市場の流動性問題に対処するため一段の措置を検討。財務省が必要以上の借り入れを行い、余剰分をFRBに預けること。
◎クロズナーFRB理事=担保割れの住宅が急増し、金融機関は住宅ローンの評価額の引き下げを検討する必要がある。
◎バーナンキFRB議長=サブプライムローン問題を踏まえ、米国民は金融知識の健全な基礎を発展させる必要がある。
◎CNBC= メリルリンチ、第1四半期に65億ドルの評価損計上との予想。
◎ベアー米連邦預金保険公社(FDIC)総裁=問題あるローンの条件変更のみでは進行中の米住宅問題を収束させるには至らず、政府による一段の措置が必要。
◎S&P=米住宅ローン保証会社4社を格下げ.
◎FRB(WSJ)=クレジット市場対策として緊急対策を検討。
◎シティグループ(WSJ)=約120億ドルのレバレッジローンをプライベート・エクイティー連合に売却で合意→ ドル買いに動く。


欧州・英国
◎イングランド銀行(BOE)報告書=国内銀行の住宅ローン金利が3月に上昇し、融資比率が95%と高リスクローンの金利がほぼ8年ぶり水準となった。 クレジットひっ迫の影響を相殺するため、債権者が融資条件を厳格化していることが背景。
◎フィッシャーダラス連銀総裁=市場の懸念は追加金融緩和の効果を弱める見通し。FRBが金融システムに過度の流動性を供給すればインフレのリスク。私見として金融秩序の回復に最低限必要なことを実施すると希望。過度の流動性供給はインフレリスクにつながる。
◎独仏伊3主要経済研08年のユーロ圏経済成長率=鈍化の見通し=ドイツのIFO経済研究所、フランス国立統計経済研究所(INSEE)、イタリア経済分析研究所(ISAE)、消費者購買力の低下や企業間の景気先行き懸念を背景に2008年のユーロ圏経済成長率は鈍化。2007年代4四販期のGDP0.4%(前期0.7%)、2008年第1四半期=0.5%、第2四半期=0.4%、第3四半期=0.3%と予想。
◎シュタインブリュック独財務相=欧州経済はリセッションには陥っていない。これは希望的観測ではなく事実。
◎世界銀行のグローバル・モニタリング・リポート=IMFは今年の英経済成長率見通しを1.6%に下方修正した。また2009年の成長率も1.6%と予想。
◎ダーリング英財務相=英成長の継続を楽観。雇用・輸出は依然として健全。英経済これまで以上に下振れへの備えが充実。英経済には柔軟性がある。IMFの英経済成長率見通し下方修正は意外ではない。
◎独連邦金融サービス監督庁(Bafin)=Weserbankの営業を停止し、裁判所に同行の破産手続きを開始するよう求めたこと表明した。Weserbankの総資産は2007年末時点で約1.204億ユーロ。


日本・その他
◎4月の金融経済月報・基本的見解 =足もとの景気、減速している←下方修正。先行きの景気、当面減速続くもののその後緩やかな成長←下方修正。設備投資は足もと増勢鈍化」←下方修正。企業収益は高水準ながら伸び悩みで業況感は慎重化。先行き設備投資と個人消費を下方修正。先行きの住宅投資も下方修正、回復に向かうがテンポ緩やか。マクロ需給ギャップは、需要超過からバランスした状態←下方修正。
◎白川日銀総裁記者会見=景気認識について、当面減速するもののその後、潜在成長率並みの成長に戻ると述べ、循環メカニズムは途切れていない。特に不確実性が高い状況にあり、今後の情勢や経済指標を分析し適切に政策判断を行っていく方針。利下げについては、下振れリスクが顕現化しないかよく見極めたい。今の調整圧力が終われば、同じ政策金利でも経済に対する効果は変わる、下振れリスクだけでなく上振れリスクへの点検も必要。中長期リスクに目配りしていく姿勢。
◎ボラード・ニュージーランド準備銀行総裁=2008年の経済成長は大幅に鈍化するが、引き続き健全。企業や消費者は現在の市場の混乱のために活動を控えるべきではない。
◎IMFの世界経済見通し=米経済は08年に小幅なリセッションに入る見通しで、09年に緩やかに回復始める見込み。米住宅価格は07―08年に14―22%と過去に例のない落ち込みとなる可能性高い。08年米国内需要は信用ひっ迫や労働市場の低迷でさえない見通し。FRBは経済も財政的な押し上げ必要で、引き続き利下げする必要の可能性。日本2008年=1.4%、2009年=1.5%、世界経済成長見通2008年=3.7%、2009年=3.8%。米国2008年=0.5%、2009年=0.6%。2008年ユーロ圏2008年=1.4%、2009年=1.2%。