2008年5月8日 本日の為替戦略

米国の利下げサイクルは終了との思惑は市場参加者に広く広まり、ドル売りポジションの巻き戻しが続きドルは堅調に推移していた。また、ホーニング・カンザスシティー連銀総裁から、今後の利上げの可能性や米景気回復期待が読み取られると、ポジション調整が加速し、弱い→ユーロ圏・英国の経済指標と、強い→米経済指標に、大幅なドル高の流れになっている。


BOEとECBは金利据え置きで動かずと思われていたが、直近の弱い経済指標に、投機筋からはBOEの利下げの観測と、ECBの政策の変更の可能性を材料とした、ストップロス狙いの売りが広まり、激しいGBPとEURの下落に既に始まっており、逆に金利据え置きと今後の金融政策の据置きが示唆されれば、GBPとEURの買い戻しが入りやすくなっている。


また、見逃せないのは、原油価格の連日の高騰で、ドルに対してはマイナス要因となるが、今はそれも無視されている。また、英国は別としてユーロ圏はまだインフレリスクが高く、とてもではないが金利を引下げる状況にあるとは思えず、ユーロ続落も懐疑的。


本日の経済指標・その他では、豪雇用統計、カナダ住宅着工が注目さえるが、メイン・イベントは、BOEとECBの金融政策の発表で、共に政策金利の据え置きが予想されている。市場では英経済指標が弱く、利下げの可能性を材料にポンド売りや、ECBでは今までの文言が変更されるとの思惑にユーロ売りポジションも脹らんでおり、今後の金融政策の見通しに相場変動は避けられない。


●ドル円
ドル円は、他の主要通貨を見れば、ドル買いの流れに入っていることを否定することはできないが、円は別ものなのか円売りの影響もクロスでの円買いにより相殺され弱まっている。このクロスの流れも、本日のメイン・イベントの欧州中銀とイングランド銀行の政策金利が予想通り据え置かれるのか? 今後も方向性はどうなのか? この結果によって180度変化することは避けられない。引き続き投機筋の買いと実需筋の売りに挟まれる動きが予想される。


ドル円の4時間チャートは、上昇トレンドが続き、105円を中心に104.15~105.67円のレンジに入っている。上値のポイントは、105.67円、105.74円、107.45円。下値のポイントは、104.15円、103.67円、103.21円。RSIは52と横がいで方向性はなく、トレンドモメンタムは売りを継続している。Dailyチャートは、103.68円~105.67円のレンジを示唆し、今までの上昇トレンドが続くものの、RSIは上昇ラインが崩れ売り買いが混沌する可能性を示唆している。1時間チャートは、RSIは上昇トレンドが崩れ、トレンドモメンタムは売りに変化し、目先はドル売りの流れに入っている。トータルの判断は、弱い流れもドル売りが続き、目先は、103.68円~105.67円のレンジで取引が続く可能性が高くなっている。


●ユーロドル
ユーロドルは、直近のユーロや独の経済指標は弱く、本日発表される欧州中銀とイングランド銀行の影響は避けられない。市場参加者の希望的な観測は、金利据え置きと今後の利上げ観測の後退ではないだろうか。米国からは最悪を脱したとの期待感が続き、明確な景気後退を示す経済指標が現れるまでは、本格的なドル売りの流れは期待できないとの判断に傾いており、ユーロ買いポジションを巻き戻し、今度は下値を試しながら、厄介な投機的な売りポジションが脹らみつつある。予想通り、または、今後の利上げ期待が少しでも示されれば、1.5467~1.5534のレンジまで戻りやすい。


ユーロドルの4時間チャートは、下降ラインが崩れ、上昇から、1.5360~1.5600レンジにの下限を試している。上値のポイントは、1.5467、1.5518、1.5534、1.5642。下値のポイントは、1.5360、1.5317、1.5229、1.5139。RSIは43と横ばいで、トレンドモメンタムは売りに変化する可能性が高くなっている。Dailyチャートは、ユーロ売りの流れが続き、RSIは下降ラインを維持、トレンドモメンタムも売りで、下値のポイントは1.5340が非常に重要で、これを割り込むと更なる大幅な下落となるが、それまでは、1.5340~1.5599のレンジ。1時間チャートは、RSIもトレンドモメンタムも売りを継続し、先の安値1.5360がポイントとなっている。トータルの判断は、ポジションを落とし売りを維持。1.5340を割り込んだら売りが加速、下値を失敗すると再び1.5534まで値を戻す可能性も残る。


●ポンド円
ポンド円は、クロスでは円買いが強まっているが、どうも円に資金が移動しているより、投機的なポジションの巻き戻し以外は考え難い。それにしても、最近の英国経済指標は弱い。これを材料にした激しいポンド売りが続いているが、本日のBOEの政策金利とその後の声明文で、ポンドの流れは簡単に変わる。センチメントはポンド安に傾いているが、どうも、このようなポンドが弱い状態でポンド売りの新規ポジションを作ることもはばかれる。結果を見てからゆっくりと考えたい。


ポンド円の4時間チャートは、203.40~208.98円のレンジに入り、純張りの相場が長く続いている。上値のポイントは、205.10円、205.57円、206.88円、208.00円。下値のポイントは、203.33~44円、202.24円、198.05円。RSIは41と横ばいからやや下降ラインが再開され、トレンドモメンタムは売りを継続している。Dailyチャートは、203.36円~209.15円のレンジに入り、トレンドモメンタムは上昇ラインが崩れ、トレンドモメンタムは買いを継続しているが、ポンド買いポジションは一旦終了。1時間チャートは、205円を割り込み売りが続き、RSIは下降ラインが続き、トレンドモメンタムは売りを継続し、売り継続となっている。トータルの判断は、現実的なレンジ相場が続いているものの、方向はポンド売りになっている。セオリーに従い203円台は買いで、203.00~33円を割り込んだら撤退と、それと、売りを考えたい。


●本日の経済指標・その他
パリ休場(第二次大戦終戦記念日)
7:45 NZ 第1四半期 失業率=予想3.5% 是回3.4%
10:30 豪 4月 雇用統計=失業率予想4.1% 前回4.1%、新規雇用者数予想 前回1.48万人
14:45 スイス 4月 失業率=予想2.5% 前回2.6%
15:00 独 3月 貿易収支=予想164億ユーロ 前回165億ユーロ
16:00 独 3月 経常収支=予想 前回154億ユーロ
19:00 独 3月 鉱工業生産=前月比予想-0.5% 前回0.4%、 前年比予想5.0% 前回6.1%
20:00 英 イングランド銀行(BOE)政策金利発=政策金利5.0%の据え置きを予想
20:45 ユーロ 欧州中銀(ECB)金融政策発表=政策金利4.0%の据置きを予想
21:15 カナダ 4月 住宅着工件数=年換算予想22.25万件 前回25.47万件
21:30 米 新規失業保険申請件数(5/4までの週)=予想37万件 前回38万件
23:00 米 3月 卸売在庫=前月比予想0.5% 前回1.1%
21:30 ユーロ トルシェECB総裁の記者会見