外国為替再入門 15 ニューヨーク外国為替市場
ニューヨーク市場は、ロンドン市場に次ぐ世界第2位の市場です。2004年の1日平均取引高は4,610億ドルです。ロンドン市場が7,530億ドル、東京市場が1,990億ドルですから、市場規模の比率は、ロンドン:ニューヨーク:東京=15:9:4になります。もう少し大雑把に捉えると、3:2:1程度の割合です。
ニューヨーク時間の午前8時30分は、アメリカの経済指標が発表されることが多いのですが、この時間はロンドン夏時間の午後1時30分に当たります。つまりニューヨーク市場の始動とロンドン時間の午後が重なり、その最初の時間にアメリカ経済指標の発表があるのでマーケットは大変活発になります。
市場としてはニューヨーク市場は世界第2位ですが、第1位のロンドン市場でさえも取扱通貨の第1位はドルですから、ドルが外国為替市場に与える影響は大きく、ドルの行方を左右するアメリカ経済指標に世界中のディーラーが注目するのは当然のことでしょう。円安の材料が出た同じ日にアメリカでドル安の材料が出た場合、円安材料が影響するのはせいぜい日本時間の間かロンドン時間の午前中までです。
円安材料は、ニューヨーク時間の開始とともにドル安材料にかき消されて、影響度が同じような指標発表であれば結果はドル安になります。日本の指標発表が東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間を通して影響を与え続けることは多くありません。逆に、ニューヨーク時間に出たアメリカ発のドル材料は影響時間が長いようです。
ニューヨーク市場の午前中の取引は大変活発です。ロンドン、フランクフルトなどのヨーロッパ勢が市場参加し、時間帯が夜間であってもアジア市場からの参加も活発に行われます。しかし、ロンドン市場が終わる時間になると取引は少なくなってきます。ニューヨーク時間の午後になると市場参加する勢力は南北アメリカに限られてきますから、取引は急速に細ってくるのです。
夏時間冬時間で多少ずれはあるものの、日本時間の午後9時くらいから深夜1位時くらいまでが最も活発に取引が行われ、その後急速に取引は細るのです。ニューヨーク時間は世界中の1日の取引が終わる最終時間です。多くの金融機関がニューヨーク時間の午後3時、4時をその日の基準時間に定めて終値を決めています。ポジションの調整もこの時間を最終時間として調整しています。売買注文、ストップロスの確定などがこの時間までに行われます。
ニューヨーク時間の午後は、このような最終調整時間となるため、ポジション調整が規則的に行われるケースも多く、規則的な売買を捉えて思惑売買する投機筋も見られます。
ニューヨーク時間の最後には、ロサンゼルス、ウェリントン、シドニー市場がシームレスに引き継ぎますが、オセアニア通貨を除けば大きな変動が起きることは少ないようです。1990年代初頭までの日本経済の好調で東京市場がニューヨーク市場に迫る勢いの時期もありましたが、東京の凋落と同時期にアメリカ経済の復活がニューヨーク市場の成長を助け、現在では安定的に世界第2位の地位を確保しています。