FXライフ 58 東南アジアと南アジア通貨 東ティモールとモルディブ

1999年、インドネシアの占領から解放され、2002年に独立したのが東ティモールだ。ティモール島は第二次世界大戦後、異なる歴史を歩んだ。西ティモールはインドネシアの一部として独立し、東ティモールはポルトガル領となった。そして1975年、東ティモールが独立宣言をすると、インドネシア軍が東ティモールに侵攻し制圧。インドネシア政府は自国の州であると宣言した。


その後、インドネシアの民主化運動によってインドネシア・スハルト政権が崩壊。1999年、ようやく独立が決定した。2002年の独立後、東部住民と西部住民の対立が続き、インドネシア併合維持派である反乱軍の動きが活発になる。東ティモール政府がオーストラリア、マレーシアなど4カ国に治安維持軍の派遣を要請。沈静化したものの、今日に至るまで小さな抗争が続いている。

通貨は、米ドルだ。東ティモールには中央銀行もなければ、独自通貨もない。建国までの数年間、軍事的指導者たちは、彼らが過ごしてきたポルトガル植民地時代の通貨「エスクード」が採用されるよう要求した。しかし、当時、国内の貧しい人々はインドネシア・ルピアを、富裕層や国連関係者、援助団体者は、エスクードや米ドル、豪ドルで支払いをしており、複数の通貨が流通していた。ただしインドネシア・ルピアはアジア通貨危機の際に下落したので、当時世界的に最も信用されていた米ドルが選ばれたようだ。

独立後、反乱軍との抗争により首都ディリが破壊され、経済は壊滅状態に陥った。政府の歳入は、オーストラリア、ポルトガル、日本など外国からの援助に依存しているのが現状。農業がGDPの4分の1を占め、米やトウモロコシ、コーヒー豆などが生産されている。


なお、南方海域に海底油田があり、将来の主要産業として期待されているが、東ティモールへの影響力を獲得しようとしているオーストラリアとの境界線問題に発展し、原油と天然ガスはパイプラインを通じてオーストラリアから輸出されている。また、この石油・ガス開発により海外からの無償援助が減っているのも事実。東ティモールの苦難は、まだ続きそうだ。

モルディブはインド洋に浮かぶ約1200の島々から成る島国。1965年にイギリスより独立。アジアの地域では、南アジアに区分される。海抜が2.4メートル以内でありことから、海面上昇とサンゴ礁の死滅により国が消滅する危機にさらされている。人口は約30万人。

通貨はルフィア(MVR)。主要産業は、観光業と漁業・農業。特に観光業はGDPの約3分の1を占めており、観光業による雇用がモルディブの就業人口の14%もあるという。農業はココナッツ、バナナ、タロイモなどが主要作物。島国らしく漁業が盛んで、2004年度の漁獲高は16万トン。

2004年末に発生したインド洋大津波の影響で、2005年度の経済成長率はマイナスとなったが、2006年以降、観光・漁業とも回復を見せ、最終的に約20%の成長率となった。ただし、同年度の失業率は14.4%と高かった。


同国は鉱物資源に乏しく、また工業が発達していないので、政府は工業化促進を進めている。モルディブでは各島に機能が特定されることが多いことから、工業に特化した島づくりが進行しているのであろう。また、人工島の建設も進められている。


By Master K/益田 慶